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好評により限定数量を完売いたしました。 (2010年4月1日)
孤高の名手カーゾンと作曲家ブリテンがかもし出す至福の世界
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孤高の名手カーゾン
20世紀イギリスを代表するピアニスト、クリフォード・カーゾン(1907.5.18-1982.9.1)は、その高い音楽性、知的な作品解釈、美しい音色によって知られているが、一方で究極の完璧主義者でもあり、自分の演奏に満足することなく、常によりよい演奏の実現に向けて研鑚を続けた求道者でもあった。それゆえ「自分の演奏が固定化されてしまう」として録音については批判的であったため、60年近くにわたる長い演奏活動の中で、CDにしてわずか21枚の録音が残されただけである。ドイツ・オーストリアの古典派・ロマン派を中心としつつも、チャイコフスキーやラフマニノフ、ディーリアスのピアノ協奏曲までをも網羅する幅広いレパートリーを持ち、作曲家ケテルビーの甥でもあった。ここ数年はライヴ録音や放送音源からのCD化が相次ぎ、生誕100年の2007年にはBBCに残された映像もDVD化されるなど、その演奏は今でも熱い注目を集めている。
作曲家ブリテンとの類稀なるコラボレーション
モーツァルトのピアノ協奏曲第27番は、カーゾンが最も愛奏した協奏曲であり、1960年代に別々の指揮者・オーケストラと2回にわたる録音を行なったが、そのいずれにも満足できず発売を認めなかった。当アルバムは、1970年9月、「三度目の正直」として挑んだもので、1940年代以来親交を結び、カーゾンについて「真に偉大なピアニスト」と敬意を抱いていたブリテンが指揮するイギリス室内管弦楽団の細心のバックアップもあって、第20番と合わせてセッションはスムーズに進み、演奏者全員が満足いく結果となった。しかし、録音後に第27番に関してさらに新しい解釈の可能性に気付いたカーゾンが発売を躊躇してしまう。カーゾンは、結局この曲については新たに録音するという条件付きで発売には同意したものの、その発売を待たずに1982年に病で亡くなり、その2ヵ月後に追悼盤として発売された経緯を持つ。モーツァルトに献身的なまでの愛情を抱いていた2人の高潔なモーツァルティアンの親密な共演は、録音後40年近くを経た現在でも古びることのない名演を生み出したのである。
名ホール、スネイプ・モールティングスにおける名録音
プロデュースは、ジョン・カルショウとともにデッカでのカーゾンの録音を担当したレイ・ミンシャルが担当し、名手ケネス・ウィルキンソンがエンジニアをつとめている。録音場所のモールティングスは、イギリス東部のサフォーク州スネイプにあるコンサート・ホールで、もともと19世紀にビールの醸造所として建てられた建造物の一つ。1960年に醸造所が廃止され、1967年からはブリテンとピーター・ピアーズが主催していたオールバラ音楽祭のメイン演奏会場として使われるようになり、その自然で温かみを感じさせる美しいアコースティックは、デッカをはじめとするレコード会社の録音場所としても好まれるようになり、自作自演のみならず、バッハのブランデンブルク協奏曲やヨハネ受難曲、モーツァルトやシューベルトの交響曲など、晩年のブリテン指揮による録音はほとんどがここで行われている。1969年の音楽祭開幕直後の火災で焼け落ちたが、翌70年の音楽祭に合わせて元通りに再建された。それゆえこのカーゾンとブリテンのモーツァルトは、再建直後の録音ということになる。
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