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(2011年11月7日)
| 品番: | ESSE-90055 |
| 仕様: | Super Audio CDハイブリッド |
| 価格: | 3,300円(税抜 3,143円) |
| レーベル: | 英EMI |
| 音源提供: | 株式会社EMIミュージックジャパン |
| ジャンル: | 宗教曲 |
| DSD MASTERING/ |
| Super Audio CD層: | 2チャンネル・ステレオ[マルチなし] |
| CD層: | ADD |
| 美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用 |
“Super Audio CD“と“DSD”は登録商標です。 |
オリジナルマスターサウンドの再生を追及。「Master Sound Works=マスターサウンドワークス」
オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、SA-CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代にいたるまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターからDSDマスタリングし、世界初のSA-CDハイブリッド化を実現してきました。2010年からは名門EMI CLASSICS名盤の復刻も開始し、他レーベルに比してよりコンサート的な、自然なプレゼンスに優れた第1級のサウンドで収録されていることを実証、従来のEMIサウンドについての評価を覆しつつあります。
粋と優雅の極み〜フランス音楽の体現者クリュイタンス
アンドレ・クリュイタンス(1905-1967)は、出身こそベルギーのアントワープですが、フランスでの広範な演奏活動と録音を通じて、20世紀を代表するフランス音楽の解釈者として知られる名指揮者です。第2次大戦直後、ミュンシュとともにフランス音楽界の復興に尽力し、パリ・オペラ座の指揮者、パリ・オペラ・コミック座の音楽監督、そして1949年にはボストン響に移ったミュンシュの後任としてパリ音楽院管弦楽団の首席指揮者に就任し、その上品で洗練された粋のかたまりのような演奏で人気を博しました。1955年のウィーン・フィルとのアメリカ旅行の成功で国際的に大きく注目され、1958年からはバイロイト音楽祭にも招かれるなど世界的な指揮者として活躍しました。日本の音楽ファンにとっては、特に1964年4月〜5月にかけて行われたパリ音楽院管との来日公演が衝撃的で、この時初めてフランス音楽の神髄と粋に接したのでした。
録音に残されたパリ音楽院管弦楽団の古の響き
クリュイタンスは、戦後フランスEMI(パテ)にオペラ全曲盤を中心に録音を開始し、フランス国立放送管弦楽団、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、フィルハーモニア管とも広範なレパートリーで録音を残しましたが、何といっても手兵のパリ音楽院管と録音した一連のステレオ録音は、1828年に創設されたこの伝統のオーケストラの美しく古雅な響きを記録した貴重なものです。1967年、クリュイタンスの予期せぬ死によって、パリ音楽院管弦楽団も解散され、より現代的な響きとアイデンティティを持つパリ管弦楽団に生まれ変わったからです。1962年に録音されたこのフォーレの「レクイエム」は、それら一連の録音の中でも、このシリーズで先に発売された「カルメン&アルルの女」と並んで、最も評価の高いアルバムであり、1963年に発売されて以来、カタログから一度消えたことのない定盤として聴き継がれている名演です。特にフォーレ好きの日本の音楽ファンにとっては、ERATOのコルボ盤(1972年録音)と並んで、「レクイエム」の最高の名盤と位置付けられています。
最高の状態でのSACDハイブリッド化が実現
このフォーレ「レクイエム」は、クリュイタンスにとって、フランス国立放送管と1950年10月に録音したモノラル盤に続く2度目の録音となったもの。1950年盤もフォーレの慎み深い作品の魅力を引き出した名演として知られていますが、この1962年盤は旧盤よりもさらにスケールの大きな深みのある演奏で、そこに込められた敬虔な感情の高まりは他に類をみないほどです。2人のソリストも豪華で、「ピエ・イエズ」でのロス・アンヘレスの清純さ、全盛期の輝きを示すF=ディースカウの完璧無類な歌唱、いずれも歴史的な名盤に相応しい彩りを添えています。日本とは縁の深かったピュイグ=ロジェがオルガン(おそらく教会備え付けのオルガン)を担当しているのもオールド・ファンには懐かしいことでしょう。EMIのパリでのオーケストラ録音がよく行なわれていたサル・ワグラムではなく、パリ1区・チュイリュリー公園の北に、1754年に完成した歴史的な聖ロック教会が録音会場に選ばれたことで、響きの豊かさと奥行き感が増すとともに、フォーレのオーケストレーションの精妙さや合唱声部のハーモニーの美しさが教会の残響に埋もれずに収録された名録音に仕上がっています。今回のSACDハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われました。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することに成功しています。CD時代初期から現在に至るまで繰り返し再発売・再リマスタリングされ、カタログからは消えたことがない名演ですが、今回のSA-CDハイブリッド化によってテープノイズの中に埋もれていた多くの音楽情報まで聴き取ることができます。
「全体を貫く敬虔な祈りと抒情の精神は、この曲の本質に最も近い」
『フォーレのレクイエムには次から次へと名演奏というに値するレコードが出てくるが、それでもこのクリュイタンス盤を凌駕するような素晴らしい演奏にはぶつからないように思われる。ロス・アンヘレスの清純な歌もF=ディースカウの感情豊かな歌も立派だが、全体を貫く敬虔な祈りと抒情の精神は、この曲の本質に最も近いところにあるのではないだろうか。透き通るような美しさを持つこの演奏は、死者を悼むというより天国への憧憬に満ち溢れた、心の最も深いところからの感動による、ということができよう』
(金森昭雄、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.6オペラ&声楽曲編』1985年)
『残響の非常に多い教会の空間において、たっぷりしたテンポでロマンティックに歌われるこのフォーレのレクイエムは、フルトヴェングラーの演奏だと偽って発売されても信じる人がいるかもしれない。それほどスケールの大きい、ミスティックな雰囲気を湛えた「非ラテン的」な演奏である。その後この曲には名演奏と称されるレコードが数多く出ているが、私にはこの演奏が最も印象深い。』
(原田茂雄、『レコード芸術・別冊・不朽の名盤1000』1984年)
『(クリュイタンスは)フランスあるいはラテン的な意識を超えて、スケールの大きい名演を生み出している。音響的には豊かな残響を生かしているところもあって、その表情はファンタスティックであるとともにロマン的で、宗教的な「レクイエム」の世界を超えたものになっている。オルガンのピュイ=ロジェもなつかしい。』
(藤田由之、『クラシック名盤大全 オペラ・声楽曲編』、2000年)
『(クリュイタンスのこの2度目の録音は)天国の浄福感を全面に打ち出し、あたたかみのある包容力と豊麗な色彩感で聴かせる。全体にスケール大きく、バランスの取れた演奏で、生者と死者が和合し、ともにほほ笑み合うユートピアとしての天国がまばゆく浮かび出ている。』
(喜多尾道冬、『クラシック不滅の名盤1000』、2007年)
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