タンノイ栄光の系譜

タンノイ栄光の系譜

第一次世界大戦の硝煙もくすぶる1926年、英国でラジオ用整流器の製造会社が誕生しました。その創始者こそ、後のハイファイスピーカーの生みの親となるガイ・R・ファウンテン。そして当時、整流器に使われていた合金 “タンタロム・アロイ” が、不朽のブランド名「タンノイ」の語源となったのです。

 

 

伝説の誕生

伝説の誕生

タンノイの道程は栄光と苦境の歴史でもありました。1933年、今日のハイファイスピーカーの基本となる2ウェイスピーカーを開発。1947年にはタンノイの代名詞ともなるデュアルコンセントリック・ユニットの原形が完成。現在のそれと構造も寸法もほとんど変わらぬ完成度の高いものでした。

1953年、このユニットを搭載した家庭用スピーカー第1号「オートグラフ」を発売。まだモノラルで音楽を聴いていた時代。この時代に“コンサートホールを我が家に”というキャッチフレーズで誕生したオートグラフは、当時の音楽シーンにセンセーションをもたらしました。

 

 

世界中のオーディオ愛好家のもとへ

世界中の
オーディオ愛好家のもとへ

タンノイスピーカーの誇り高い歴史は、ここから始まります。その後、オートグラフのコンセプトを受け継ぎながら、若干小型化された「G.R.F.」を発売。創設者のイニシャルをそのままモデル名にしたこのスピーカーは、音楽愛好家やオーディオ愛好家の間で銘機として語られました。

 

 

失意、そして復活へ

失意、そして復活へ

1974年、心臓発作に襲われた高齢のガイ・R・ファウンテンは、やむなく米国にタンノイを売却。オートグラフやG.R.F.の複雑なホーン型エンクロージャーを支えてきた木工技術者の不足、アルニコの安定供給難などが重なり、みずからの信念とは別の方向の製品が生み出されてゆく失意を経験します。

しかし苦境の中にあっても、伝統のタンノイ精神は揺らぎませんでした。ついに1978年、ノーマン・クロッカー氏を中心とする新経営陣は米国からタンノイを買い戻します。1981年「GRFメモリー」で職人芸が復活。1982年「ウェストミンスター」でオートグラフ伝統の大型バックロードホーンが復活。そして1988 年には「カンタベリー」がアルニコマグネットを搭載し、栄光のタンノイは完全復活を遂げました。

 

 

新たな伝説へ

新たな伝説へ

デュアルコンセントリック方式がもたらす明確な音像と豊かな音場、音楽の実在感をありのままに再現するタンノイスピーカーは、本国イギリスだけでなく世界各国のレコード会社、録音スタジオ、放送スタジオで信頼あるモニタースピーカーとして広く採用されています。

スピーカーが奏でる音楽を通して、精神の充足と魂の高揚をめざす。そうした高邁な信念のもとに、永い歳月をかけて、ひとつのユニットをじっくり磨き上げてきたタンノイ。その道程は、まさにもうひとつの音楽文化史、近代芸術史と言えるかもしれません。

 

 

 

タンノイ、その進化の歴史

 

1926

タンノイ社の歴史は、この貸部屋から始まった 。  

1935

ロンドンの展示会でのタンノイ社ブース 。  

1947

デュアルコンセントリックドライバーの初代モデル、15インチ・モニターブラックが登場(後に12インチも登場)。アルニコマグネットを採用し、HFコンプレッションドライバーのホーンがLFコーンにつながる独自の形状により、従来にないレベルの忠実な再生能力を獲得。  

1948

チャーチル氏の選挙でタンノイのPA装置が活躍。 (右:タンノイ社リビングストン氏)  

1952

Royal Greetingsにて、エリザベス女王即位を世界に伝えたタンノイ。  

1953

シャーシの構造がよりオープンになり、クロスオーバー部を分離した改良版のモニターシルバーが登場。有名なオートグラフキャビネットに搭載。後にコーナー型G.R.F.に搭載された。  

1955

12インチ・モニターシルバー登場。初代カンタベリーエンクロージャーに搭載。  

1958

モニターレッド15インチ、12インチが登場(3年後に10インチ追加)。シルバーのパワーハンドリング性能を改良したもので、著名なモニターレッドキャビネットに搭載。  

1967

モニターゴールドシリーズが登場。小型のエンクロージャーに合わせやすいように若干能率を下げ、今日でも採用されている熱硬化樹脂成型リアチャンバー付きの新型コンプレッションドライバー搭載。モニターゴールド搭載のエンクロージャーとしては、それまでのエンクロージャーのほか、モニターゴールドエンクロージャー、ランカスター、IIILZが最も有名。  

1974

ハイパフォーマンスデュアル(HPD)シリーズが登場。ウレタンフォームウーハーエッジ、現在でも15インチプレステージドライバーに採用されているコーン背面の補強リブを採用。  

1976

外部デザイナーを招聘し、モダンで洗練されたABCDEシリーズ(アーデン、バークレー、チェビオット、デボン、イートン)登場。  

1978

HPD MK2モデルで、従来のアルニコに代わり、業界初のABF(異方性バリウムフェライト)マグネットを採用。とりわけ大型のバッキンガム/ウィンザーモニターが有名となる。  

1982

初のプレステージシリーズが登場。ウェストミンスター、GRFメモリー、スターリング、エジンバラでシリーズ構成され、日本のマーケットを席巻。  

1987

ウェストミンスターロイヤルが登場。アルニコマグネットへ回帰し、大型化され、バーチ合板を使ったエンクロージャーを採用。1年後にカンタベリー15、カンタベリー12が登場。  

1992

プレステージTWシリーズ(TW = Tulip Waveguide。日本国内ではテクノウェーブガイドとして紹介)が登場。スターリング、エジンバラ、GRFメモリー、ウェストミンスターはフェライトマグネットを採用。ウェストミンスターロイヤルとカンタベリーはアルニコマグネットが使用された。  

1997

フラッグシップモデル、キングダムが登場。18インチサブウーハー、12インチスーパーデュアル、1インチスーパーツイーターを搭載。小型化した15インチサブウーハー+12インチデュアルバージョンが1年後に、12インチサブウーハー+10インチデュアルモデルが2000年に登場。  

1998

ツインロールハードエッジ仕様のプレステージHE(ハードエッジ)シリーズが登場。  

2000

SACDなどのワイドバンドソースに対応するため、ST-100、ST-200スーパーツイーターが登場。プレステージシリーズのリスニング体験が更なる飛躍を遂げた。  

2001

オートグラフがHE化され、特別限定ミレニアム・モデルとして復活。  

2003

プレステージHEシリーズにサンドリンガム、ケンジントン、ヨークミンスターの3機種が追加。それぞれ8インチ、10インチ、12インチドライバーを搭載。  

2005

オートグラフミニ登場。史上最小の4インチデュアルコンセントリック搭載と、サイズからは想像できない雄大なサウンドが話題に。  

2006

プレステージシリーズがSE(スペシャルエディション)に進化。ウェストミンターロイヤル、カンタベリー、ヨークミンスター、ケンジントン、ターンベリー、スターリングの6モデル。高純度6N銅内部配線、選び抜かれたオーディオグレード部品を使用し、優れた透明感ある音色を実現。  

2010

フラッグシップモデル、キングダムロイヤルが登場。15インチサブウーハー、12インチデュアルコンセントリック、1インチマグネシウムスーパーツイーター搭載。6N-PCOCC内部配線、贅沢極まるネットワーク部品を使用し、新たにクライオ処理を採用。  

2013

プレステージGR(ゴールドリファレンス)シリーズが登場。ウェストミンスターロイヤル、カンタベリー、ケンジントンの3モデルは、マイラーエッジ採用コンプレッションドライバー、クライオ処理ネットワーク回路などキングダムロイヤルのテクノロジーを投入。ターンベリーとスターリングは、コンピューター解析とヒアリングテストで完成した最新のネットワーク回路技術を投入。圧倒的なクオリティーのエンクロージャー加工と細部の仕上げを誇るシリーズとなった。  

2017

Legacyシリーズとして、アーデン、チェビオット、イートンが復活。  
 

タンノイ、その進化の歴史

 

1926

タンノイ社の歴史は、この貸部屋から始まった 。  

1935

ロンドンの展示会でのタンノイ社ブース 。  

1947

デュアルコンセントリックドライバーの初代モデル、15インチ・モニターブラックが登場(後に12インチも登場)。アルニコマグネットを採用し、HFコンプレッションドライバーのホーンがLFコーンにつながる独自の形状により、従来にないレベルの忠実な再生能力を獲得。  

1948

チャーチル氏の選挙でタンノイのPA装置が活躍。 (右:タンノイ社リビングストン氏)  

1952

Royal Greetingsにて、エリザベス女王即位を世界に伝えたタンノイ。  

1953

シャーシの構造がよりオープンになり、クロスオーバー部を分離した改良版のモニターシルバーが登場。有名なオートグラフキャビネットに搭載。後にコーナー型G.R.F.に搭載された。  

1955

12インチ・モニターシルバー登場。初代カンタベリーエンクロージャーに搭載。  

1958

モニターレッド15インチ、12インチが登場(3年後に10インチ追加)。シルバーのパワーハンドリング性能を改良したもので、著名なモニターレッドキャビネットに搭載。  

1967

モニターゴールドシリーズが登場。小型のエンクロージャーに合わせやすいように若干能率を下げ、今日でも採用されている熱硬化樹脂成型リアチャンバー付きの新型コンプレッションドライバー搭載。モニターゴールド搭載のエンクロージャーとしては、それまでのエンクロージャーのほか、モニターゴールドエンクロージャー、ランカスター、IIILZが最も有名。  

1974

ハイパフォーマンスデュアル(HPD)シリーズが登場。ウレタンフォームウーハーエッジ、現在でも15インチプレステージドライバーに採用されているコーン背面の補強リブを採用。  

1976

外部デザイナーを招聘し、モダンで洗練されたABCDEシリーズ(アーデン、バークレー、チェビオット、デボン、イートン)登場。  

1978

HPD MK2モデルで、従来のアルニコに代わり、業界初のABF(異方性バリウムフェライト)マグネットを採用。とりわけ大型のバッキンガム/ウィンザーモニターが有名となる。  

1982

初のプレステージシリーズが登場。ウェストミンスター、GRFメモリー、スターリング、エジンバラでシリーズ構成され、日本のマーケットを席巻。  

1987

ウェストミンスターロイヤルが登場。アルニコマグネットへ回帰し、大型化され、バーチ合板を使ったエンクロージャーを採用。1年後にカンタベリー15、カンタベリー12が登場。  

1992

プレステージTWシリーズ(TW = Tulip Waveguide。日本国内ではテクノウェーブガイドとして紹介)が登場。スターリング、エジンバラ、GRFメモリー、ウェストミンスターはフェライトマグネットを採用。ウェストミンスターロイヤルとカンタベリーはアルニコマグネットが使用された。  

1997

フラッグシップモデル、キングダムが登場。18インチサブウーハー、12インチスーパーデュアル、1インチスーパーツイーターを搭載。小型化した15インチサブウーハー+12インチデュアルバージョンが1年後に、12インチサブウーハー+10インチデュアルモデルが2000年に登場。  

1998

ツインロールハードエッジ仕様のプレステージHE(ハードエッジ)シリーズが登場。  

2000

SACDなどのワイドバンドソースに対応するため、ST-100、ST-200スーパーツイーターが登場。プレステージシリーズのリスニング体験が更なる飛躍を遂げた。  

2001

オートグラフがHE化され、特別限定ミレニアム・モデルとして復活。  

2003

プレステージHEシリーズにサンドリンガム、ケンジントン、ヨークミンスターの3機種が追加。それぞれ8インチ、10インチ、12インチドライバーを搭載。  

2005

オートグラフミニ登場。史上最小の4インチデュアルコンセントリック搭載と、サイズからは想像できない雄大なサウンドが話題に。  

2006

プレステージシリーズがSE(スペシャルエディション)に進化。ウェストミンターロイヤル、カンタベリー、ヨークミンスター、ケンジントン、ターンベリー、スターリングの6モデル。高純度6N銅内部配線、選び抜かれたオーディオグレード部品を使用し、優れた透明感ある音色を実現。  

2010

フラッグシップモデル、キングダムロイヤルが登場。15インチサブウーハー、12インチデュアルコンセントリック、1インチマグネシウムスーパーツイーター搭載。6N-PCOCC内部配線、贅沢極まるネットワーク部品を使用し、新たにクライオ処理を採用。  

2013

プレステージGR(ゴールドリファレンス)シリーズが登場。ウェストミンスターロイヤル、カンタベリー、ケンジントンの3モデルは、マイラーエッジ採用コンプレッションドライバー、クライオ処理ネットワーク回路などキングダムロイヤルのテクノロジーを投入。
ターンベリーとスターリングは、コンピューター解析とヒアリングテストで完成した最新のネットワーク回路技術を投入。圧倒的なクオリティーのエンクロージャー加工と細部の仕上げを誇るシリーズとなった。
 

2017

Legacyシリーズとして、アーデン、チェビオット、イートンが復活。